もちろん父親が言っていることも、わかっているんですよ。でも…
私だって喧嘩腰(けんかごし)でなんか、
父親と喋りたくないです。
久しぶりに声を聞いたんです。
懐かしかったですし、
最初は嬉しかったです。
嬉しかったというよりも、ビックリしましたけど…
ただ、ちゃんと説明をしたのに聞いてくれないんです。
頑固なんです。
ちゃんとして理由があるときぐらい、
耳を貸して欲しいです。
何でも、自分の言い分を通そうと思っても無理です。
できないものは、できないんです。
わかって欲しいです。
会いたいです。
声を聞いただけでも、
懐かしいんだから、
会いたいに決まっているじゃないですか。
それなのに…
どうして喧嘩腰(けんかごし)で
喋らなくちゃならないんですか?
ちょっとは私の立場も考えてください。
何かというと常識なんですから…
確かに帰った方が良いに決まっています。
私だって、わかっています。
帰りたくないなんて言っていないです。
帰りたいんです。
でも、帰れないんです。
常識って、二言目(ふたことめ)には言わないで下さい。
うるさいんだから…
こっちだって仕事なんだから、
お正月に帰るのを楽しみにしていたんです。
私だって…
ちゃんとわかってます。
聞いてます。
でも、帰れないんです。
私だって、社会人をやっているんだから、
仕事が優先です。
大切です。
田舎のしきたりとか、常識とか、
わかってますけど、
言いたいこと、ちゃんとわかってますけど、
無理なんです。
帰れないんです。
もう何度言ったら、わかってくれるの!
仕事!
生徒たちと合宿!
わかってよ!