覗き込んでいる顔は、一つだけじゃないから
見たいとは思わないけど、
でも、
覗き込んでいる顔を、
どうしても見てしまうんです。
正面にあるんですから、
足の間って、
真正面(ましょうめん)だから、
どうしても見てしまう…しょうがないです。
目が合うから…
真正面にいるんだから、
目だって合ってしまうんです。
慌てて逸らしても(そらしても)
どこを見ても、
顔、顔、顔…です。
顔ばかりなんです。
それも、見慣れた顔ばかり
恥ずかしい…
きつく目を瞑っても(つむっても)、
声は聞こえてくるし、
みんなの野次(やじ)の声は、
どうしようもなく聞こえてくるし、
それに触られているのは、どうしようもないし、
私が、狂ったようになっていたとしても、
そんなの、
仕方ないんです。