無事に帰ってきたので笑い話ですが､

昨日の朝の話なんですが､
寝惚けた様子(ねぼけたようす)のまま
コートだけ上に羽織って(はおって)､
フラフラしながら
トイレに行った生徒が､
なかなか部屋に帰ってこなかったんです｡
３０分くらい…

合宿所のトイレは､
渡り廊下を渡った外にあるのですが､
心配になって様子を見に行ったんです｡
でも､
いないんです｡
トイレだけじゃなくて､お風呂場にも…

合宿所の中だけじゃなくて､
もしかしたら外に出て行ったかもしれなと思って､
近くも捜して(さがして)みたのですが､
どこにもいないんです｡

今だから笑い話で済みますが､
その時は､
泣きそうになりました｡

勉強が嫌になって逃げ出したんじゃないかとか､
まだ､それならいいのですが､
もしかしたら､事件とか事故とかに
巻き込まれたんじゃないかと思って､
本当に心配したんです｡
いろいろと世間を騒がせているじゃないですか？
ああいうのって､
やっぱり頭から離れないんです｡
その時は､どうしても
悪い方､悪い方に考えがいってしまって…

この合宿所の鍵とかは､
夜でも普段は掛けていないんです｡
こんな田舎(いなか)ですし､
これだけ男の子がいるんです｡
日本一安全な場所だと思って油断をしていました｡

責任問題…というのも頭の中を過ぎり(よぎり)ました｡
そんな責任なんて考えている間に､
早く捜さなくては…と思いましたけど､
でも､悪い方にばかり考えがいってしまって､
崖(がけ)から落ちたんじゃないのかとか､
車に轢かれた(ひかれた)んじゃないかとか､
もう､新聞に載る(のる)ような
悪い事しか考えられなかったです｡

最初は､トイレとかで起きてきた子に
捜すのを手伝ってもらっていたんですが､
それでも見付からなくて､
寝ている子たちまで起こして､
みんなで捜してもらいました｡

捜しにいった子まで行方不明になるんじゃないかって､
もう何もかも､わからなくなっていました｡
こういう時､
自分って小心者だとわかります｡
冷静になんてなれなかったです｡

ほかの生徒に連れられて､
行方不明になっていた子が帰った来た時は､
もう腰が抜けそうになりました｡
泣き出したりはしなかったですけど､
怒るより､
ホッとして座りこんで動けなかったです｡

私の気持ちが少し落ち着いて､
叱りつけようと思っても､
生徒たちに小突かれているし…
もういいから…って､
叱るより､止めなければいけない状態でした｡

どこ行っていたのか､
食事の時に聞いてみたのですが､
ごちゃごちゃと言って要領を得ないし､
見付けてきてくれた子も､
ニヤニヤして答えてくれないし､
もう､いいです｡
無事に帰ってきてくれたら…と思って､
それっきりにしています｡

正直､疲れました｡
今でも興奮しています｡

もう､こんな騒ぎを起こさないで欲しいです｡